「場」をつくった「人」と、その人が掲げた「旗」。
そして、その旗のもとに集まる人々の様子を取材し、
コミュニティの人間模様をお届けするフォト& コラム。
Vol.2 仙台スウィングクラブ
「一緒に踊りませんか?」
ひとはた上がったのは、その瞬間だった。
地下へ続く階段を降りた先にある、秘密基地のようなジャズバーに、様々な年齢・国籍のメンバーがぞろぞろと集まってくる。毎週水曜日の夜、この場所でダンスと言葉を交わす人々がいる。この日は、チャールストン(※)をテーマにしたレッスンから始まった。「今日は英語を話せるメンバーが多いので英語でレッスンします」と、円の中心で声をかけるのは、『仙台スウィングクラブ』の発起人Nammyさん。
「ダンスなんて踊ったことがなかった人がほとんど。私自身もそうなんです。もともと音楽が好きで、シカゴにいた時に、ジャズのかかるお店によく行っていて。そこで踊っている人たちがいたんです。見ているうちにだんだん踊りたくなってきて、そしたら向こうから誘ってきてくれて。どんどんのめり込んでいきましたね。こんな場を仙台にも作りたいと思って、帰国してからこのコミュニティを立ち上げました」
踊り疲れたら、マイスターバーテンダーの表彰も受けた腕の確かなマスターが作るカクテルを飲みに、カウンターへ。仲間のダンスを眺めながら、スウィングジャズのリズムに肩を揺らす。
この「ひとはた」のもとには、思わず体が動き出すような”心まで弾むその瞬間”を求めて、プライベートダンサーたちが集まってくる。
※チャールストン:1920年代ジャズの音楽と共に流行した、黒人文化をルーツに持つダンスの一種。足を交互に跳ね上げるステップが特徴。
取材先:仙台スウィングクラブ